2004年大統領選の真っ只中、著者メアリー・メイプスがプロデューサーを務めるCBSの人気報道番組「60ミニッツⅡ」は、ブッシュの再選を脅かす軍歴詐称疑惑スクープを報道した。このスクープは大成功のはずだった。他局もすぐにこのスクープについて報道した。ところが、証拠として提示した書類は偽造されたものだと、保守派ブロガーを中心にインターネット上で大論争が巻き起こる。これに大手メディアも追随し、会社上層部は事態の収束を図るために内部調査委員会を設置。これによって肝心のブッシュの軍歴詐称問題はうやむやとなり、メアリーは「解雇」を言い渡された――。
著者が製作し「60ミニッツⅡ」で報道したアブグレイブ収容所における捕虜虐待事件のスクープは、解雇後に「放送界のピューリツァ賞」とも称される「ピーボディ賞」を受賞。圧力に屈することなく、真実を伝えることを使命とするジャーナリストとしての矜持が伝わってくる1冊!